ダイエットというと「カロリーを減らす」「脂肪を落とす」といったイメージが強く、「脂質=太るもの」と思っていませんか?確かに脂質は1gあたり9kcalと高カロリーですが、実は私たちの体にとって欠かせない栄養素でもあります。
今回は、ダイエット中の脂質の役割や摂取のコツ、避けたい脂質などについてわかりやすく解説していきます。
脂質の基本的な役割
脂質は、三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)のひとつで、私たちの体にとって重要な役割を担っています。
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エネルギー源:脂質は体を動かすエネルギーとして使われます。特に安静時や軽い運動時には脂質がメインの燃料となります。
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ホルモンの材料:女性ホルモンや男性ホルモンなど、脂質を材料に作られるホルモンが多数存在します。
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細胞膜の構成成分:脂質は細胞膜の主要な材料でもあり、細胞の健康維持に欠かせません。
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脂溶性ビタミンの吸収を助ける:ビタミンA、D、E、Kは脂に溶けて吸収されるため、脂質がなければ効率よく摂取できません。
このように、脂質は単なる「太る元」ではなく、健康な体を保つために必要不可欠な栄養素です。
ダイエット中の脂質はどうする?
では、ダイエット中は脂質をどう扱えば良いのでしょうか?ポイントは「質」と「量」のバランスです。
1. 摂取量の目安
一般的に、脂質の摂取量は**総摂取カロリーの20〜30%**が理想とされています。例えば、1日の摂取カロリーを1500kcalに設定している場合、脂質から摂るべきカロリーは300〜450kcal。これをグラムに換算すると約33〜50gになります(脂質は1g=9kcal)。
2. 良質な脂を選ぶ
脂質には「良い脂」と「悪い脂」があります。
◎摂るべき脂質(良質な脂):
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オメガ3脂肪酸:青魚(サバ、イワシなど)、亜麻仁油、チアシードなどに含まれる。抗炎症作用があり、代謝をサポート。
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オリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸:悪玉コレステロールを下げる働きがあり、心臓の健康にも良い。
△控えたい脂質(避けたい脂):
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トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、揚げ物やスナック菓子などの加工食品に含まれる。動脈硬化や心臓病のリスクを高めるとされています。
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飽和脂肪酸の摂りすぎ:肉の脂身、バター、乳製品などに多く含まれますが、過剰摂取は中性脂肪の増加につながります。
ダイエット中に脂質を上手に取り入れるコツ
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「抜く」のではなく「選ぶ」
脂質を完全にカットしてしまうと、ホルモンバランスが崩れたり、肌や髪の乾燥、便秘などの不調が出やすくなります。質の良い脂質を「適量」摂ることが大切です。 -
調理方法を工夫する
揚げ物よりも「蒸す」「茹でる」「焼く」などの調理法を選び、調理油もできるだけオリーブオイルやごま油などの良質なものを使いましょう。 -
ナッツやアボカドを活用
おやつやサラダにナッツやアボカドを加えると、手軽に良質な脂質が摂取できます。ただし食べ過ぎはカロリーオーバーになるので注意。
まとめ:脂質=悪者ではない!
ダイエット中だからといって、脂質を極端に避けるのはNG。脂質は私たちの体にとって欠かせない存在であり、「どんな脂を、どれだけ摂るか」がカギになります。
脂質を味方につけて、健康的に無理なくダイエットを続けていきましょう!